何処から「迷い込んだ」のだろう。尾瀬国立公園では、かねてシカによるミズバショウやニッコウキスゲの食害が問題になっています。
例えばシカに食べられたミズバショウなどは栄養を蓄えられず、株が弱って消失したり、土を掘り返し周囲を踏み荒らした結果、地面を裸地化してしまいます。
近年、シカの確認頭数は増加傾向にあり環境省の資料によれば一昨年は尾瀬・日光地域で5200頭余(驚きました)を捕獲したとありました。
写真の見本園では目立たないように食害防止のシカ柵(ネット)が張られているのに気づきます。
雪が多い尾瀬では、ネットの破損を防ぐために積雪前に撤収する仕事に追われ、雪が苦手なシカが活動を始める前に再びネットを張る必要があります。
観光資源である景観を守るのか、白神山地のように人為を加えずに自然の推移にゆだねるのか、尾瀬での人間と自然のせめぎ合いは続きます。