9.11 寄稿

 昨日は2001年の米同時多発テロから22年を迎えました。日本人24人を含む計2977人の犠牲者をしのび、米国各地で追悼式典が開かれました。
 マンハッタン島の中央に輝いていたあの世界貿易センタービルが、同時多発テロにより破壊され、たくさんの人を中に残したまま建物の解体現場を見るように崩れ去ったのをテレビ画面に見たとき、驚愕のあまり言葉を失いました。
 最初の画面では人の空中に逃れる様まで写されていて、そこで繰り広げれられている逃げようのない状況を想像し恐怖にふるえました。
 過去二回のニューヨーク行でのビルウオッチの時、そのシンブルな形と一番の高さと大きさにより、どこからもよく見え、特にバンテリーパークから眺めた夕日を浴びる金色のセンタービルは最も印象的なランドマークでした。
 その後の情報により、日本人を含む数千人の行方不明者がおり、膨大な施設・都市機能の損害と共に世界の経済にも重大な影響を及ぼし、90年代から続く経済不況にも拍車をかけることとなって、ますます先行きの不安を増大させる結果となっています。
 このような無差別非道なテロ行為はまったく許すことの出来ないことで、このことにどのように対応するかは、世界の平和を第一義に希求する我が国にとってもたいへん重大な課題となっています。
 正直な話、不遜ながらあの大きな建物の燃えさかる高層階の火災を映画タワーリングインフェルノに重ねて見、二機目の飛行機が飛び込むのを信じられない思いで見ている時も、まさか約一時間後にあのように崩れ去ると考えることは、若い頃少しは建築の構造設計に関わり、破壊のメカニズムなども勉強したつもりでしたが、とても及ぶところではありませんでした。
 テロ行為に対する深い怒りと共に、このようなことの二度と無いことを願い、不幸にして事件に巻き込まれた多数の各国の方々には深く哀悼の意を表したいと思います。(S/S)