大分県別府市にある立命館アジア太平洋大学(APU)の学長、出口治明さんの闘病記が新聞に連載されました。
在職中の2021年1月に脳出血で倒れ、失語症や右半身まひに。出口さんの目標は、家に帰ることではなく学長に復帰することでした。
回復期リハビリテーション病棟に入院できる上限は180日まで。限られた時間の中で、歩くか話すか、究極の選択を迫られたのでした。『言葉』を獲得したい。心は決まっていました。リハビリを経て、言葉を取り戻し大学に復帰できたのは1年後でした。
毎朝、車窓からは別府湾と市街地、そして学生たちが行き交うキャンパスが見えます。出口さんには見慣れた風景です。しかし以前と変わったことがひとつだけあります。自分が電動車いすに乗る要介護3の障害者になり、介護タクシーで通勤するようになったことでした。
「みんなのちからがあって、やりたいことができます。僕は、しあわせです」と話されています。