あゆ 2009年

 秋ヶ瀬取水堰は、主に埼玉県と東京都の飲料水を取水している。
 利根大堰(埼玉県行田市)によって利根川から取水された用水は、武蔵水路を経由して、15km先の荒川(埼玉県鴻巣市)まで運ばれる。用水はここで荒川に注水され、さらに30kmを自然流下して、秋ヶ瀬取水堰によって再び取水されるのだ。

 
 埼玉新聞にアユが遡上している写真が載った。秋が瀬取水堰の魚道を瞬発力で懸命に上っている。この稚魚の姿がとても印象的だった。

                  =埼玉新聞ホームページより

 釣り人が8人ばかり釣り糸を流している。アユを釣っているのだなあ、と思った。取水堰でせき止められているので遡上中の稚アユがこの堰下で魚道を見つけながら滞留しているらしい。川鵜や白鷺が群れをなしている。川鵜の捕食ぶりはなかなか壮観だ。潜る、10秒ほどすると水面に現れる。そのときには稚魚を何十匹か飲み込んでいるに違いない。時に大きい獲物をとる。自らの頭以上に大きな獲物だ。頭から飲み込むらしい。くちばしの先で獲物のしっぽがばたついているのが見える。首を伸ばし、天に口先を向けて飲み込むのだ。


 釣り人も忙しい。竿の先に5、6本の針がついている。流れの上流に竿先を向け投擲する。流れにまかせて浮きが下流へと流れる。糸が伸びきったところで竿を上げる。すると1匹ないし2匹かかっているのだ。これを繰り返す。大きい魚がかかると川へ放している。お目当ての獲物ではないのだろう。豊漁ぶりをみてたらなんだか自分が釣りたくなってきた。

      =取水堰の周辺は田んぼ

 鮎の解禁日は6月から7月にかけてが多い、と職場に帰ってから知った。「それは、ほかの魚ではないのか」という。各河川には漁業権があって、遊魚料を払いましたという鑑札がないと釣れないと教えてくれた。

=取水堰は広大な秋が瀬公園の西側、荒川堤沿いにある