一輪草 2009年

川口市安行原の斜面林で自生するイチリンソウを見に行った。イチリンソウは直径4-5センチの白い清楚な花を1本の茎に1輪だけ付ける。埼玉県の準絶滅危惧種で都市近郊の自生地は珍しい。


 安行中学校の裏手に広がる、やぶに中で絶滅しかかっていたイチリンソウが見つかったのが平成7年。放置されて荒れ放題だった斜面林を、市民が憩いの場所としてよみがえらせた。


現地を見て思ったのは、イチリンソウの保護以外にも活動が広がっていることだった。斜面林の湧水をいかしてせせらぎや池を造成、ほたるの幼虫を放して子供たちの環境学習に役立ている。


 こうした活動に県や市も理解を示し、周辺の土地を買収して公有地化した。
イチリンソウは通常、3月中旬に葉が伸び始め、4月中旬から下旬にかけて開花する。5月下旬には地上部分は枯れて地下茎は休眠期に入ってしまう