箱根・明神ガ岳

明神が岳~道了尊バス停、明神ヶ岳から宮城野橋バス停へ~
 

★日時  4月19日(日)9時、大雄山駅前1番線バス乗り場に集合(出発9時15分)

★行程

新宿07:00(または7:10発さがみ57号→注1)→ ロマンスカー小田急はこね1号、1,764円→小田原08:13/大雄山線乗換え08:24→ 270円→大雄山駅08:45/バス乗換え1番線09:15→ 10分、270円→道了尊09:25=最乗寺入口

道了尊09:30→ 60分→明神岳見晴小屋(廃業)10:50→ 90分→明神ケ岳13:00→ 40分→宮城野分岐13:40→ 45分→明星ケ岳14:30→ 60分→宮城野橋15:40→ 10分→勘太郎の湯15:50 /17:00→ 2分→宮城野バス停17:10(以後10分毎)→ 540円通常は20分程度(注2)→箱根湯本17:30/17:48→ ロマンスカー小田急はこね40号→新宿19:19

*注1 新宿発07:10→ロマンスカー小田急さがみ57号→小田原着08:28/08:36小田原発大雄山線→ 大雄山着08:57/09:15大雄山伊豆箱根バスもあります。

*注2 バス乗車中、道路渋滞のときは強羅で下車。強羅(15分毎)→箱根登山鉄道670円→箱根湯本。

山行記
この記事は公益財団法人森林文化協会2015年4月号のメールマガジンから、原文のママ掲載しました。著者は「山の幹事さん」のメンバーです。


花盛りの森

 4月の半ば、山仲間と箱根の明神ヶ岳に登った。古期外輪山の北北東に位置する1,169メートルの山で、大雄山最乗寺からのルートを取ると、標高差は880メートル近い。10階建てマンションを30棟ほど積み上げた高さを、休み休み3時間かけて登ることになる。
 最乗寺の鬱蒼とした杉並木の参道わきに登山口がつけられ、ときに岩を乗り越えるような狭い急な道がいきなり始まる。両側の寺林は間伐された形跡がなく、杉の幹は細くあたりは暗い。アオキが林を縁どり、若葉の先に雄花を開きかけている。
 しばらく登って整備された林道を横切り、森林組合の看板が掛かるあたりから、森が明るくなった。手入れされた杉とヒノキの混交林になり、胸の高さで直径2、30センチの幹が立ち並ぶ。長さを切りそろえた皮付きの丸太が、林の中に散らばっている。先ほどまでのカラスの声にホオジロやウグイスが取って代わり、シジュウカラも加わって、林間が賑やかになった。
 光の入る道ばたに草花が目につき始め、タチツボスミレに交じって細長いハート型の葉から茎を伸ばしているのはナガバスミレ、小さな三つ葉葵に似た葉の上に開く5弁の白花はミヤマカタバミと、同行の先輩に教えられた。
 300メートルばかり上がったところに、使われなくなった見晴らし小屋があり、ちょっとした広場にしつらえられたベンチで、数組のグループが休息していた。林が途切れて、小雨交じりの曇天の下に足柄平野の田園と町が広がり、地平を限って丹沢の山並みが青黒く連なる。周囲には、ヒメシャラのつるりとした代赭色の幹や、ナラ、クヌギのたぐいも見られ、目の前の崖ぎわのトチノキが、生まれたての赤ん坊のように小さな葉を、それでもきちんと五、六葉ずつ枝いっぱいに芽吹かせていた。
 再び樹林に入って、溝状にえぐれた赤土の道に足を取られながら進むと、開けた場所に出た。林相が代わって、針葉樹の丈が低くなり、片側の下り斜面には雑木林が若芽を煙らせる。やがて、防火帯のような細長い草原が目の前に広がった。
 枯れ草のおおう地面に、ナツトウダイが緑色の地味な小花をつけ、ヘビイチゴに似た黄色い花はキジムシロかと思われた。クサボケが地面すれすれにオレンジ色の花を点綴させ、マメザクラが九分咲きの盛りを迎えている。すぐわきでは低木のキブシが短い鎖状の花序を白いすだれのように身にまとい、高く育ったミツバツツジがそこここで鮮やかな赤紫に燃え立つ。ウグイスが、間近なところでしきりに鳴いた。
 明神ヶ岳の山頂は、内輪から吹き上げてくる風にあおられて寒く、群生する細竹が耐えるように北になびいていた。頭とすそを隠した富士山が、西の雲間に少しだけ覗いた。昼食もそこそこに宮城野まで下山して、日帰り温泉で打ち上げとなった。

 私事だが、メールマガジンの執筆は今回で最後になった。1回目は5年前の6月、「音のない森」というタイトルで、武満徹の『音、沈黙と測りあえるほどに』を引きながら、「地球上に木を植えるという行為もまた、ちっぽけな人間が宇宙の沈黙にあらがって命をつないでいこうとする営みなのかもしれない」と書いた。
 以来、さまざまな局面で、森と人の結びつきについて考えてきたが、人間の尺度からすれば、森を万年単位の遷移にゆだねたままにするわけにはいかないという思いが、いまは取りわけ強い。明神ヶ岳の登山ルートをたどって、放置された寺林と人手の入った人工林、明るい草原という3つの態様を、期せずして目の当たりにし、人と自然が折り合った花盛りの空間に、森に学ぶ知恵がもたらす生命の豊饒と可能性を思った。 (久)

 
 
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応永元年(1394)に開かれた曹洞宗の禅寺、大雄山最乗寺御門前
 
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参道沿いの杉並木は神奈川県の天然記念物に指定されている
 
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U字状にえぐれている登山道の一部
 
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春を告げる鮮やかなミツバツツジ
 
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ミヤマカタバミ
 
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クサボケ。果実は夏の終わりごろ採取して漢方に用いる。
 
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桜の野生種のひとつ、マメザクラ。富士山近辺や箱根近辺その山麓等に自生しており、フジザクラハコネザクラとも言う
 
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マメザクラに癒されて
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「甘い!」第一の水場、神明水
 
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コブシに先駆けて咲くタムシバ。ニオイコブシともいう。
 
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第2の神明水。この先、山頂までは水場がない。
 
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富士山の中腹がうっすらと見えた。

★交通費  4,608円

★保険料   500円

★登山コース
道了尊バス停~明神ヶ岳~明星ヶ岳〜宮城野橋バス停
http://yama-navi.jp/guide/myojingatake.html  ←行程

歩 程:5時間00分  全 長:10km  標高差:879m


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宮城野温泉勘太郎の湯    http://www.kantaronoyu.jp/
250-0401 神奈川県足柄下郡箱根町宮城野923
電話0460-82-4477
     宮城野バス停から徒歩2分。
・入浴料 1,000円
・食事お品書き
櫻川弁当   1,500円  とりから揚げ  500円  うな重    2,000円
おでん     500円 天ぷら定食  1,200円  ウィンナー盛合せ 400円
とろろ定食  1,000円 シューマイ   400円  山菜釜飯   1,000円
もつ煮     400円 ポテトフライ  400円  カツカレー   950円
枝 豆     300円 天丼      900円  冷や奴     300円
ポークカレー  700円 天ぷらそば・うどん 900円
山菜そば・うどん   700円 たぬきそば・うどん 600円
天ざるそば・うどん 1,000円  とろろそば・うどん  700円
ざるそば・うどん   550円 しょうゆラーメン   600円

生ビール 600円    瓶ビール 500円 サワー(レモン・梅・巨峰・青リンゴ)400円
冷酒(箱根のしずく) 600円       日本酒(冷・燗)   500円
ノンアルコールビール 350円

■持ち物一覧表(春支度。現地の気温は都心よりも05度ほど低くなります)
□ お弁当を各自でご用意ください。
□ 現金  
□ 歩きやすい運動靴 防水がしっかりしたもの。軽登山靴がベスト。
□ ストック 疲労や足腰への負担軽減に。特に下りに有効。各自の判断で
□ リュックザック 下に軽いものを入れると楽。いざという時のために両手は 空ける。ショルダーバック、手提げは不可 
□ 防風着 ヤッケ、ウインドブレーカーなど
□ カッパ 理想は上下セパレートの雨具(防寒着代わりにも)
□ 防寒着 ベスト、ジャンパーなど
□ 長ズボン 動きやすいものを
□ 替え下着
□ 靴下 厚手のものを。靴ずれ対策になります
□ 折り畳み傘 必ず持参してください
□ 水筒またはペットボトル
□ 帽子
□ 登山用スパッツ あれば便利
□ ザックカバー 雨対策。あれば便利です
□ 小物 タオル・ハンカチ・ティッシュ・バスタオル、各自の判断で。汗拭き用も 
□ 大きめのビニール袋。洗濯物をまとめたり、ゴミ袋がわりにしたり。□ 行動食 チョコレート1枚とかビスケット1箱くらいはザックの中へ
□ 携帯電話 場所により電波が届きません。
□ 常備薬 持病の薬。予備も忘れずに。共同装備の薬品は別項に
□ 腕時計
□ 健康保険証
□ カメラ・双眼鏡 予備の乾電池も忘れずに
□ ガイドブック・地図 観察用にあると便利です
□ 筆記用具・メモ用紙etc 記録、観察用に
□ めがね、コンタクト・溶液
■ 救急セット(バンドエイド、マキロンなど幹事が持参します)