尾瀬の植物

    図 鑑 (本文の表記順)
           おことわり 一部の写真と文は書籍・インターネットなどに掲載されているものを参考にしました。
オコジョ  
 

イタチ科 体長は16~33cm、夏は背側が茶色で腹側が白い。冬は全身が白になる。
とても好奇心が強い動物で、あちこちの隙間から顔を出しては、また引っ込むを数分繰り返す。山の鼻ビジターセンターに発見を報告すると、おこじょ発見証明書がもらえる。山の神の使いと言われている、と書いてある。

ミツガシワ

 

高山の沼沢地に生える水生植物で、尾瀬沼などの寒冷な湿地帯で見られる。和名の由来は、3枚の小葉をカシワの葉に見立てた。5月下旬から7月上旬にかけて湿原に咲く。氷河期の遺存植物として貴重で、その群落は天然記念物に指定されている。葉には苦味成分が含まれ、胃もたれや腹痛などの健胃薬として用いる。夏、葉を葉柄(ようせい)ごと採取して天日で乾燥させる。これを生薬で、睡菜  (すいさい)という。

オオツリバナ(大吊花


深山に生える落葉低木。花期は晩春。材は、ステッキに使われる。秋には紅葉と、吊り下がった実が楽しめる。花の季節は5月から6月ごろ。
温泉小屋前の赤田代、段吉新道分岐から平滑ノ滝に向かって左側(只見川方向)に数本のツリバナがある。                     

マユミの実



落葉低木。高さ3~5メートル。マユミの「マ」は真,「ユミ」は弓,すなわち弓を作るのに有用な木の意味。楮にとって代わられたが和紙の原料、印鑑や櫛の材料になる。葉は対生で細かい鋸葉がある。花は初夏。実がかなり遅くまで残るので、秋と冬にはヒヨドリメジロが食べるにくる。10月半ばごろには、実がはじけて赤い種をのぞかせているでしょう。秋に赤く熟した果皮と種子は吐き気、下痢、虚脱症状を伴う中毒症状に用いられる。

ナナカマド

和名は、"大変燃えにくく、7度竃(かまど)に入れても燃えない"ということから付けられたという説が、広く流布している。燃やしたことはないが、火付きの悪い木なのであろう。高さ7~10m程度になり、夏には白い花を咲かせる。実は食べられない。小葉は5~7対あって、先は鋭く規則的で美しい。

コシアブラ
   
落葉樹。小葉は5枚。高さ15m位。若芽の天ぷら、おひたしは旨い。樹脂液からは、漉して「金漆(ごんぜつ)」と呼ばれる黄金色に輝く塗料が作られたので、漉し油という。材は箸、下駄、経木等にする。

カエデ

楓とモミジは植物分類上は同じだが、楓のなかで特に美しい種類を「モミジ」と呼ぶ説がある。楓(かえで)の語源は「蛙手(かえるで)」から転じた。 水かきのように切れ込みの浅い葉のものを楓という。 

シラカバ(シラカンバ) 
   
落葉の高木で樹肌が白色に変わるのは3年目からで紙状に剥離(はくり)するようになる。葉には長い柄があって、葉は三角状卵形で長さ約6センチ、先はとがっている。縁には不規則なぎざぎざがあり、葉脈が6~8本明瞭にある。似ている木に木肌の赤いダケカンバがある。薬効はリューマチ痛風、利尿に用いられ、葉を勢いのある季節に採取して日干しにして乾かす。葉には精油が含まれて
いるので、浴剤に使うと肌がつやつやになり、気分が壮快になる。北欧では、蒸し風呂にシラカバの葉と若い枝を入れている。

カラマツ

カラマツはマツ科の中では珍しい、落葉性の高木。落葉松と書く。カラマツの黄葉が美しいと知っている人は、案外と少ない。日光にあたると、金色に輝くのがカラマツの黄葉の特徴。このカラマツ、落ち葉が落ちる瞬間が一番美しい。黄葉したカラマツの葉っぱは、小さなとげのような形をしていて、太陽光線を反射する。それが一斉に落ちてくるときは、ダイヤモンドダストのように空中をキラキラと輝く=尾瀬沼湖畔の長蔵小屋で

ヒツジグサ

スイレン科の水生多年草。湿原中の池などの水位の安定した、貧栄養の水質の池に生育する。未(ひつじ)の刻(午後1~3時)に開くのでこの名が付いたとされるが、実際は明るくなると開き,暗くなると閉じる。花は6月頃から咲き始め、秋まで続いて花期が長い。花びらは白い。尾瀬ヶ原にはオゼコウホネという似たスイレン科の植物が見られるが、黄色い小型の花をつける。環境省レッドデータブックで絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。

ベニサラサドウダン

花も紅葉も紅色になるとても美しいツツジ。ドウダンは灯台の音変化、 ドウダンツツジ灯台躑躅と書く。尾瀬での花期は6月下旬~7月中旬で燧裏林道や沼尻、山中腹で見られる。かつては実を果実酒、樹木をクシの材料に、樹皮は染料に利用された。

ハウチワカエデ

日本固有種の落葉高木。ブナ林域の尾根筋などの明るい林に多く見られる。葉身は長さ4.5~9cm、幅5.5~11cm。この時期、紅葉がまだ見られる。ハウチワカエデは、葉の形を天狗の団扇に例えたもの。メイゲツカエデの別名もある。

ミネカエデ

ミネカエデは亜高山帯に生え
る落葉樹で、高さは3~5メートル。葉の大きさは4~9センチぐらい。尾瀬沼東岸の早稲ッ沢付近には、眺めのいい小さな湿原があり、黄色く変わることの多いミネカエデの紅葉が鮮やかな赤に染まっていた。

ウリハダカエデ 
      
ウリハダカエデは樹高10メートル前後になる落葉高木。葉は6~15センチでカエデの仲間では大きい。紅葉は黄色から赤褐色となる。和名の瓜肌カエデは若い樹木の樹皮がマクワウリの果実の肌に似ていることによる。
オオバクロモジ

落葉樹。高さは3~5m位。早春に花が咲く。葉の大きさは8~12cm。幹や枝が緑色を帯びていて黒い斑点があり、これを文字に見立ててこの名がある(大葉黒文字)。材は香りがいいので高級な爪楊枝が作られる。枝葉や種子からは香油がとれる(クロモジ油)。クロモジの乾燥根皮は、急性胃腸カタルや脚気に効き目がある。根皮、材、枝、葉は浴剤として、かいせん、湿疹等によいとされる。
ウワミズザクラ
 
落葉樹。高さ10m位。果実は秋に黒く熟する。この杏仁香(あんにんご)は未熟のものを塩漬や薬用酒にする。根は染料に用いる。薬効は咳。西遊記三蔵法師が西国に求めた不老長寿の樹とされる
マイヅルソウの実

多年草。草丈は10cm前後。名前の由来は2枚の葉を、翼を広げたツルに見立てた。初夏に径2ミリほどの小さい白い花を10個位つける。群がって咲くので薄暗い登山道でもよく目立つ

ツルリンドウの実

多年草。ツルリンドウは薬用植物で食欲不振、消化不良、胃酸過多などに効くとされている。
茎はあまり長く伸びず、高い所まで巻きあがらない。夏の終わりごろ登山道の道端にひっそりと咲いている。花言葉は誠実、情愛。
ホオノキ

落葉高木。「ほお」は(包)の意で、大きな葉に食べ物を盛ったことからの命名。葉は長さ40cm位。葉に刻んだ山菜と味噌をのせて焼く「朴葉焼き(ほおばやき)」は、香ばしくおいしい。薬用植物で便秘、せき、痰、利尿、胃炎に効く。
    
トチノキ

 家具などの材料となる。巨木になるものが多いので、昔はくり抜いて臼を作るのにもよく使われた。 また、種子は渋抜きして食用になる。もち米と共についた土産物の栃餅がそれである。花は初夏で、ミツバチが好んで吸蜜に訪れる。薬効は下痢、しもやけなど。
ブナの木


ブナ林に惹かれる人は多い。ブナの森は豊穣の森といわれる。その実は動物達の餌にもなり、多くの動物達をこの森に生かすことになる。その落ち葉は微生物達の餌になり、腐葉土層となって堆積する。そこに水を蓄えるので、ブナの森は「緑のダム」、「緑の水瓶」といわれている。近年、尾瀬で熊の目撃情報が多くなっており、これは餌となるブナの実の生育と関係があるとされる。ドングリは、断面が三角で痩せて小さいが、脂肪分が豊富で美味である。生で食べられる。
殻斗のりん片はトゲ状で四つに分かれている。色は赤褐色で3稜球形(三角錐で丸くない)、一つの殻斗に二つある。