尾瀬からの便り  5(キテン)

尾瀬沼のほとり、三本唐松のところで=6月5日   c/t  

 木道を歩いていて思いがけなく動物と出会ったときのときめき。キテンと鉢合わせした写真が届きました。
 尾瀬で私と顔を合わせたかわいい動物はオコジョ(ヤマイタチ)と野ネズミです。熊は遠慮したいですね。怖いもの見たさということもありますが。長蔵小屋から沼尻休憩所までのナイトハイクでは動物の気配に「鹿ではないか」と大接近したところ熊だったので、ちょっと驚きました。
 キテンは主に木の上で活動するので「木貂」。体長はネコぐらいですが体重は1/3以下と身軽で木から木へとリスのようにピョ~ン。「肉食のテンがウサギを追いかけた」と語るのはネイチャーガイドさんです。
 静かな森の中では野鳥の声と自らの足音だけが響くばかりですが、残雪に残された小さな足跡や熊が皮をはぎとって樹液をなめた跡を観察するたびに動物たちの暮らしが少し見えてくるようです。

尾瀬沼のほとりにある三本唐松

いぬいさえこ|ちいさな生きもの達の ちいさな物語 (7mori.net)より