春を呼ぶ火入れと呼ばれる伝統の野焼きが26日、東富士演習場内の入会地でありました。害虫退治や野草の成長促進が目的で、この時期の風物詩となっています。
火入れはワラビなどの林産物を収穫する権利を持つ周辺の入会組合が、入会産物の育成・増産等を目的に、入会権(注1)の明認行為として毎年春先に行っています。
例年は約4千人の組合員が総出で参加しますが、コロナ禍の今年は役員ら約700人に絞り、自衛隊員ら200人が参加しました。
東富士演習場では2010年に作業員3人が焼死する事故があったことから、風速や湿度を測り、慎重に2745ヘクタール(注2)の広大な演習場内で作業を進めていました。
統括団体の東富士入会組合は「大型連休過ぎには大勢の組合員が山菜採りを楽しみます」と話しています。
注1:入会権とは、一定の地域の住民が特定の森林、原野を共同で利用する権利。入会権の対象となっている土地を「入会地」といいます。演習場内の入会権は江戸時代から続いています。
注2:東京ドーム約500個分の広さ。東京ディズニーリゾートのおよそ27個分