同窓会

 30年ぶりの同窓会。みんな元気だろうか、どんなふうに変わったのだろうか。そんな思いと懐かしさが、無理やりの勤務交代で出席が実現した。
 午前中、出社してその足で会場の駅前ビル地下へ急いだ。懐かしい面々、誰だかわからない女の人。向こうは知っていて親しげに声をかけてくれる。はて?誰だっけ。

 そのうちわかってくる。その表情のなかに高校時代の面影を探す。そうだ、あの人だ。来られなかった人も多かった。連絡先不明の人、故人になった人。今を生きる人々との再開を喜ぶ。

 帰宅してから、うっかりしたことに気がついた。欠席者も何人かいたけど会費は幹事さんが負担したのだろうか。機転が利かなかった。次回に生かそう。

 昼食会は13時から始まった。プロのレーサー生活のなかで日本一という金字塔を打ち立てた友人はこんな話をしてくれた「デビューのころは花が開かなかった。一生懸命だった。プロとして自信がつきはじめたのは30代からだった。うしろをふりかえったら(追ってくるものは)だれもいなかった」。

 選手の寿命はかなり長いといわれる。体力よりも技術に比重がかかるからであるが、一方で、事故による殉職や落車による後遺症などで若くして去る選手も少なからず存在する。現役で活躍した選手の最高年齢が69歳という記録があるが、競走成績が振るわない選手は自主的に引退をしていく制度をとっているので69歳という数字は驚くばかりである。

 ぼくを含めたサラリーマン組は60歳以後の過ごし方に話題がいったことはいうまでもない。さて。