赤城山へ行ってみた。尾瀬や谷川岳に登るときに信越線を利用する。車窓から眺めるその山は裾野から山頂に向かって美しくなだらかな稜線が広がる。その悠然として上毛の空にそびえる姿に見とれてしまう。
覚満淵の向こうに大沼と外輪山が広がる=10月10日
「いつか行ってみようか」。そんな時、田中澄江さんの文章が目にとまった。「赤城が俗化してつまらないというと、上毛新聞の柳田芳武さんが、いやいや、まだ良いところがいっぱいあると、外輪山の駒ケ岳、黒檜山、鈴が岳に案内してくれ、アカヤシオ、シロヤシオの満開を見、アズマシャクナゲのうす紅の群落にあい、赤城はまだ花の山だと安心した。その後、紅葉の頃にも外輪山を歩き、紅葉の山だとも思った」
今回は滝沢温泉へ下るコースを選んだが、思いのほか難コースで道なき道に迷ったりした。崖を下る危険な道があることもわかり登山を断念、茶の木畑峠に戻り小沼に道をとった。めったに人が通らないのだろうか、道標が肝心なところに立っていない。
小沼で親切なご夫妻の車に拾ってもらわなかったら、最終バスにも間に合わなかったと思う。親切のありがたさが身にしみて嬉しく思った。
小沼湖畔
長七郎山山頂
おとぎの森を行く
登山はここまで。滝沢温泉に行かれなかった
赤城山へ行ってみた。 尾瀬や谷川岳に登るときに信越線を利用する。車窓から眺めるその山は裾野から山頂に向かって美しくなだらかな稜線が広がる。その悠然として上毛の空にそびえる姿に見とれてしまう。
覚満淵の向こうに大沼と外輪山が広がる=10月10日
「いつか行ってみようか」。そんな時、田中澄江さんの文章が目にとまった。「赤城が俗化してつまらないというと、上毛新聞の柳田芳武さんが、いやいや、まだ良いところがいっぱいあると、外輪山の駒ケ岳、黒檜山、鈴が岳に案内してくれ、アカヤシオ、シロヤシオの満開を見、アズマシャクナゲのうす紅の群落にあい、赤城はまだ花の山だと安心した。その後、紅葉の頃にも外輪山を歩き、紅葉の山だとも思った」
今回は滝沢温泉へ下るコースを選んだが、思いのほか難コースで道なき道に迷ったりした。崖を下る危険な道があることもわかり登山を断念、茶の木畑峠に戻り小沼に道をとった。めったに人が通らないのだろうか、道標が肝心なところに立っていない。
小沼で親切なご夫妻の車に拾ってもらわなかったら、最終バスにも間に合わなかったと思う。親切のありがたさが身にしみて嬉しく思った。
小沼湖畔
長七郎山山頂
おとぎの森を行く
登山はここまで。滝沢温泉に行かれなかった
予定したコースタイム
JR東京駅07:08→ 60分→高崎駅08:07着→高崎駅発08:18→ 15分→前橋駅着08:34→前橋駅前08:45 75分→赤城山ビジターセンター09:55→ 15分→覚満淵(かくまんぶち)10:10→ 20分→鳥居峠入口10:30→ 20分→小沼平(このだいら)分岐10:50→ 30分→小地蔵岳11:20→ 40分→長七郎山(1579m)12:00 (昼食休憩30分)→ 10分→小沼水門12:40→ 50分→銚子の伽藍13:30→ 15分→横引き峰13:45→ 100分→滝沢温泉15:00
滝沢温泉からタクシーで7000円だが、赤城神社まで歩けばデマンドバス(定員10人前後)を利用できる。上毛電鉄、北原駅まで200円。要予約。乗り方は027-283-3122に電話して「乗るバス停と降りるバス停(赤城神社から北原駅まで)、人数、利用希望時間」を伝える→乗るバス停にバスが来る時間を教えてくれるので遅れないこと。駅まで15分ぐらいだが予約状況によりバスは迂回するので余裕を持つことが大切。
<東京から前橋>
新幹線利用 東京-高崎間60分、4,800円→→高崎乗り換え前橋行き、20分。
在来線利用でも30分しか変わらないので高崎線がお薦め。
高速バス:池袋-前橋間、2時間25分
<前橋駅から赤城山ビジターセンター>
直通バス:前橋駅08:45発、ビジターセンター09:55着*運行日注意、1780円
<タクシー:40分、7000円(4人で乗るとバスよりも20円のお得)
<タクシー>滝沢温泉から大胡駅、30分、4,000~5,000円
<東武特急利用>上毛電気鉄道(西桐生行き)と東武特急(浅草行き)
運賃:片道2,460円(乗車券1,660円 特別料金800円)約2時間半
大胡→9駅→赤城→11駅→北千住→1駅→浅草
18:33→ 18:53/19:06(りょうもう46号)→20:52→21:05
19:33→ 19:53/19:56(りょうもう48号)→21:42→21:55
<大胡駅からJR利用>上毛電気鉄道とJR快速アーバン
運賃:片道2,480円、約3時間
大胡→8駅→中央前橋→徒歩17分→前橋→4駅→高崎→15駅→上野
18:21 18:38 19:20 - 21:09
19:21 19:38 20:14 20:28/20:34 22:11
赤城山の名の由来は諸説があり定まっていない。 山全体が紅葉で彩られることが由来であるとする説。「アカ」は仏教語で仏や貴賓に献上する水を意味する「阿伽(あか)」に、「ギ」は囲いや器を意味するという湧水説など、諸説の根拠はなるほどと思わせる。
荻原朔太郎は故郷前橋を題材に何点か赤城山がよまれている作品を残している。
「かの遠き赤城を望む/わが部屋の窓に咲きたる/木犀の花」
「空に光った山脈(やまなみ)/それに白く雪風/このごろは道も悪く/道も雪解けにぬかってゐる。/わたしの暗い故郷の都会/ならべる町屋の家並のうえに/かの火見櫓をのぞめるがごとく/はや松飾りせる軒をこえて/才川町こえて赤城をみる。/この北に向へる場末の窓窓/そは黒く煤にとざせよ/日はや霜にくれて/荷車巷路に多く通る。」(純情小曲集から)
暮れも押し迫って早々と松飾りをした家、道々を行き交う荷車といった人びとの生活と、その家並みの上に見える赤城山の対比が印象深い。