昼下がり野路を辿りて
黄に咲けるミズギクの花。
ああ、この花、小さくもいのちあり。
仰ぐに光あり。
夕の風に眠るまで、まろやかに咲く花なれや。
霜にたおれる時あるも
再び咲ける幸もてり。
この花の心を解くあらば
我が心また解きうるべし。
心の花ひらけば、またひらくべし見えざる幸せの園。
誰だ!こんなひどいことをするヤツは。
はじめは憤慨したけど、あとで知ったところでは
ブナに刻まれたもの、それは生まれた子どもの名前だった。
「橘 豊……感謝スル……S4……」解読不能。
子どもの成長を祈って掘り込んだだね。
木の成長とともに子どもの無事を祈る。
昔から伝わる桧枝岐村の風習の名残りなのだそうだ。