江戸の昔、蕨は宿場町として栄えました。
この庚申塔は60日に一度巡ってくる庚申(かのえさる)の日に寿命を縮めないために、当時大流行した庚申(こうしん)信仰に基づいて建てられた石塔です。
今は、資料館に鎮座していますが、塔の左側面と台座には川口の善光寺への道しるべが刻まれていることから板橋宿から戸田の渡しで戸田川(現・荒川)を渡った堤にあったと思われます。
庚申の日は、普段は早寝早起きをしている農民にとって、徹夜で楽しく過ごす特別な日だったんだと思います。
人馬で混み合う往年の蕨宿の賑わいを彷彿とさせるようです。