夏が過ぎたのに、街角の一角に、オレンジ色の花は静かに存在感を示していました。生垣から門柱にしっかりと絡みつくノウゼンカズラ。男女が寄り添う姿に例えられ、古くから「恋愛成就、夫婦和合の霊木」とされてきました。
また、古来より庭木として親しまれる夏の花で、「霄(そら)を凌(しの)ぐ」ように咲くことから凌霄(のうぜん)花と呼ばれたそうです。
昼休み、外食の候補地のひとつが浜離宮庭園でした。職場の皆と連れ立ってノウゼンカズラの棚のしたで、お弁当を広げた思い出があります。この時間は、近くのオフィスからも思い思いの場所でランチを楽しんでいる姿を見ることができます。
中国原産のノウゼンカズラは、落葉性のツル植物で、夏の間にたくさんの花を咲かせます。ラッパによく似た直径5センチほどの花が夏空に良く映える植物だと思いました。
その花の形から、英語名で「トランペット・フラワー」といわれるのを知り、「なるほどね」。うまいネーミングと思いました。
日にこぼれ闇にこぼれし凌霄花 白石渕路