ブラインドサッカー(5人制サッカー)

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小さな鉢に添えられたメッセージに思わず微笑んで

 「ブラインドから君の歌が聴こえる」(サミュエル・サトシ著、河出書房新社、2020年)。この本は失明と絶望、悲しみ、その先の自由を描いています。読了後、ぜひブラインドサッカーの試合を見たいと思いました。
 アイマスクを着け、「シャカシャカ」と音が鳴るボールと声を頼りにゴールを目指すブラインドサッカー
 世界ランキング3位のスペインを破り、初めてのパラリンピックで5位に入った日本の高田敏志監督は泣きながら選手たちを抱きしめました。
 驚いたのは、アイマスクをしているのにボールを見事にトラップ(注)していることでした。まるで見えているかのように。蹴りだされたボールはほぼ相手の正面に行っています。超能力者のサッカーを目撃したような不思議な気分でした。「すごい…」思わず感嘆の声を漏らしてしまいました。 
 日本チームの佐々木ロベルト泉選手は来日10年目。車の事故で失明したときは、「人生、終わった。涙が出た」。しかし、すぐに「神様は命を助けてくれた。意味があるはず」と考えた。ピッチを離れれば、ムードメーカーである彼は、「事故から人生は1秒で終わると教えてもらった。だから目の前のことを頑張る」と話しています。
 一冊の本から、ブラインドサッカーの魅力と選手の人柄にも触れることができました。

 

(注)トラップ:サッカーでボールを止めて自分が扱いやすいようにすること。