イモ煮会

 山形県鶴岡市小国地区の住民たちが24日、東京の人たちと山形名物のイモ煮会を府中市内で開いた。地域おこしのために、廃校になった同地区の小学校の校舎を利用して進めている都会との交流事業の一環だ。
  
 小国地区は、JR羽越線あつみ温泉駅から十キロ余り。山間の清流沿いにある約百世帯、四百五十人ほどの小さな集落だ。古くは庄内と越後を結ぶ交通の要地だった。
 温海町(現・鶴岡市)では平成元年から、廃校になった同地区の旧小国小学校の木造校舎を宿泊施設に模様替えして、都会の人たちに開放している。昭和30年に建てられた校舎は、木造二階建てで六教室。教室を畳敷きにして宿泊場所にした。
 利用は申し込み順。少人数でも一教室が使える。給食室を利用しての自炊生活で、調理器具や食器もあってちょっとした「別荘気分」を味わえる。好評で、これまで延べ4万人が利用した。
 東京でのイモ煮会は、同地区の「小国ふる里振興会」(五十嵐喜久也会長=当時)が、交流事業を続けていくためにも、今までのつながりが切れないようにと、過去の利用者を中心に呼びかけ、「東京交流会」として20年前に始めた。昨年は約80人が参加した。
 24日のイモ煮会は、午後一時半から府中市の宮町(みやまち)公会堂で開かれた。連休のなか日とあって参加者の出足が心配されたが、昨年とほぼ同数の参加者が訪れた。小国地区からは「ふる里振興会」の会員ら十五人が当日朝、上京して本場の味をふるまった。
 食事の後はビンゴゲーム。賞品は、地区でとれたタヌキの毛皮とコメだ。

 宿泊施設の問い合わせは鶴岡市役所温海庁舎小国山村振興センター(電話0235・47・2931)へ。

  
 宿泊施設として都会の人との交流に使われている旧小国小校舎=山形県鶴岡市


 子どもが玄関先で遊んでいた=旧小国小学校で


 会場は大銀杏が目印=府中市宮町公会堂で


 本場の味は小国地区の主婦らが手作り


 賞品のタヌキとテン


 近くの神社では七五三でにぎわっていた=宮町3丁目の大國魂神社