唐津

June 30 [Sat], 2012, 10:09

九州の唐津は良いところだ。海岸線に広がる松の防風林は三保の松原と並ぶ日本三大松原のひとつと言われている。玄界灘の沖合から吹きすさぶ風がどれほどすさまじいものか、松の幹が陸地側に傾いている様を見れば容易に想像がつく。

広々とした海岸線、どこまでも続く砂浜と松原。この日は雲間から薄日が差す天気だったが、入道雲が湧きたつ真夏、あるいは秋晴れの日に沖合に目を向けるとよい。はるかな水平線の向こうにクレパスで描いたような青い空が、この美しい松原をひきたたせるにちがいない。

6月7日、東京発の「のぞみ9号」は12時13分、博多駅に到着した。JR九州の「さくら」の発着ホームはどこだろう。昨年3月に開通した新大阪、鹿児島中央駅間を走る話題の新幹線を見てみたい。
終着駅が博多だった時代、同駅はJR九州の管轄内にありながら、JR東海から新大阪でバトンタッチしたJR西日本のクルーが運転してきた。JR九州の社員は自前の新幹線がないので運転できない。どれだけ新幹線が欲しい、自分たちの手で運転したいと思ったことだろう。

乗務交代。右側がJR九州の乗務員=博多駅

再び唐津。ひとつ手前の駅「虹の松原駅」で降りて唐津市内に予約したホテルまで歩こう、ということになった。誰もいない海岸には貝殻がいっぱい散らばっている。海水浴の季節はどれだけの人が来るのだろう。松原の中を2時間半ほど歩いたけど誰にもあわない。途中ハンバーガー屋さんで一服した。マックではありません。お兄さんがバンガローの受付みたいな店舗のなかで、注文があるたびに急いで作りだすオリジナルなハンバーグ。店舗の外に置いてあるベンチでしばし待つこと5分、突然肉の焼ける香ばしいにおいがした。

松原の向こう(写真中央左)に砂浜が広がる

唐津といえば九州・秋の祭りの代表格、「唐津くんち」が有名だ。巨大な曳山14台を市内を曳き廻しさまは誰もが圧倒されるのだそうだ。曳山とともに行事そのものが国の重要文化財だ。祭り期間以外でも曳山そのものは展示場で観覧することが出来るので、時間があれば観るつもりだ。

玄海原発の2本の排気塔(小島の左側)と美しい砂浜。奇妙な感覚にとらわれる

翌日は海上タクシーに乗って「宝島」に行きたいという。お参りすれば宝くじが当たるという霊験豊かな神社があるのだという。舟に揺られて宝探しも粋な遊びではないか。島に上陸すると結構な観光客だ。宝くじを買っていざ出陣。びっくりしたのは、神社の壁に賞金が包まれていたと思われるのし紙。沢山お礼状とともに飾られてあった。まなじりを決して参拝するのだ。

いざ! 宝島へ出発進行

でもねえ、島を歩いて巡ったんです。小さな小学校があったんですね。畑にでている人は皆、女性でおばあちゃんが多かった。そこには普通の暮らしがあった。

「本土」とは様変わりの風景。玄界灘がまぶしかった=宝島で


唐津城の上空に青空が広がっていた=定期船から