宗教観

荘厳なゴシック建築の聖堂。美しいステンドグラスの窓から差し込む光が幻想的な空間を演出し、パリ市民の宗教心を高めてきました=2012年1月、サント・シャペル教会で   y/k

 

 日本人は基本的に無宗教というか多宗教の人が多いですね。
 結婚式はチャペルで、弔いは寺で、初詣は神社に行くことに違和感を持つ人は少ないでしょう。
 散歩道の途中にはキリスト教会があります。娘はこの教会の幼稚園に通っていました。私は洗礼を受けた者ではないけれど、このご縁で日曜礼拝やクリスマス礼拝に通っていました。
 良かったと思うことは、親しくしていた牧師さんの聖書を語る話が面白い事、讃美歌に魅かれたことです。
 この牧師さんが引退されてからは、教会との繋がりは遠くなりました。しかし、建物の前を通るとお稲荷さんに詣でるごとく、今日もありがとうございますとか、祈ります。
 
 この世界は倫理的に不合理です。自分の力では解決できない問題が起きます。愛する人に先だたれ、どんな人にも死が待っています。それを受け止め、それでも生きていくことに意味がある。そのことをいにしえの昔から人々は考え、宗教という形に昇華していったのではないか、と思います。