懐かしさを感じる木の実=15日、蕨市内で
民家の「アケビの生垣」が熟し始めました。淡い紫色の実がパックリと割れ、トロッと甘い果肉が見え隠れするのも間近です。鈴なりのアケビに驚いた通りがかりの人たちが、足を止めて眺めていました。
実の長さは5~10センチ、幅3~5センチ程度。子どもの時分、黒い種を含んだ白く半透明の果肉を口に含むと、控えめな甘さが広がったのを覚えています。
戦後間もない食糧難の時代、山に入ってアケビを見つけて食べるのが楽しみだった、そんな世代の方々には懐かしい果実ではないでしょうか。
「最高のごちそうだった」。古老から、そう聞かされて育った私もふる里への郷愁を感じました。