昔つれづれに(1) 初めての外電

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初めての外電

1980年12月8日。この日のシフトは泊まり。午前2時の原稿の締め切り時間までの勤務だ。
勤務を終え、ひと風呂浴びて仮眠室に入った。ベッドに入り、うつらうつら眠りに入った頃、枕元の黒電話が鳴った。事件か事故か?!
跳ね起きて受話器を耳に押し当てる。「ニューヨーク支局の○○です。ジョンレノンが射殺されました」。
慌ただしく着替え、部屋の鍵を開ける。眠いはずなのにやけに頭が冴える。

写真が収められているキャビネットに走る。ビートルズとジョンレノンの写真を取り出す。
「(紙面に)使う顔はどれがいいだろう。」2、3枚を選ぶ。ニュース写真は?!

つぎにテーマごと人名ごとに、切り抜かれた新聞記事が時系列順に収められたキャビネットを開ける。ビートルズとジョンレノンの切り抜きを素早く抜き取った。

切り抜きの狙いは、記者が古い記事から読み込んでいくことでビートルズやレノンの人となりを即座に知らしめることにある。記事に深みを持たせることができるのだ。

この間10分余り。ロイターから配信されたプロフィールを添え、社会部員に手渡した。

眠りから覚めた社内は号外の準備で忙しい。印刷部員は準備に追われているだろうし、街頭で号外を配るべく販売部員は社に向かっている頃だ。