硫黄島の歴史考

 島民の帰郷がいまだに実現していない硫黄島。悲惨な戦いの陰には、故郷を奪われた島民の歴史があります。
 著者の祖父母は硫黄島出身。戦火により命を奪われ、強制疎開で故郷を追われた人々を描いています。
 現代を生きる兄妹が時空間を超越して、死んだはずの島民たちと交信し、死者たちの想いを追体験する重たい物語。時が過ぎても、悲しみは続いています。