無人販売の「花屋さん」

路地裏につつましく咲く小さな花=9日、早朝

 道端で花を摘むように、気軽に買えたら。そんな希望を満たしてくれた、週末だけのお花屋さんの思い出です。
 場所はお店ではなく、ごく普通の民家の軒先に赤、白、黃と色鮮やかな花束が並べられていました。一束200円。道行く人が足を止め、一束手に取り箱の中にお金を入れていきます。

 軒先に並べる花は、土曜の朝に花卉市場で仕入れていたのかもしれません。その日の10時には「開店」できるでしょうから。

 「はたして売れるだろうか」。そんな視線が窓の片隅からのぞいているような気がして、ちょっぴり期待に添うような表情で買い求めていました。季節を感じながら。