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「日本人の死に時—そんなに長生きしたいですか」(久坂部羊著)
友人が薦めてくれた一冊。得られた知見がたくさんありました。
上手に死ぬことに憧れるお年寄りたちと終末期を看取ってきた医師が描く快適な死を支える医療とは?
延命治療か、ある程度自然に任せるかを問いかけています。
本書では尊厳死に触れていませんが、終末期医療を考えるとき、避けてはとおれません。
日本尊厳死協会は、苦痛を和らげる処置は最大限に実施してほしいとしており、尊厳死では、肉体的・精神的負担を少しでも和らげるための緩和医療が施されます。
緩和医療とは、延命処置をしないで死を迎えるにあたり、病気による痛みや疲労感・倦怠感などの苦痛を取り除くことを目的とした医療を言います。苦痛を軽減し、最期まで生きがいや生きる活力を持ちながら、人間として自分らしい生活を送り最期のときを迎えるためにも、尊厳死と緩和医療は切っても切れない関係とされています。
また、緩和医療は科学的な裏付けをもった医療です。患者の症状を改善させるだけではなく、患者を支える家族を支援することも目的となっています。
長生きしたい、長生きしてほしいという気持ちは自然な願いです。不具合があれば、適切な治療を受けて末永く過してほしいものです。