お米が美味しい

逆さ富士を映して=30日 

 値上げの波がやってきました。第一生命経済研究所の試算では、1世帯で年6万円ほどの支出増を予測しています。
 ウクライナ侵攻で世界的食糧不足が警告されていますが、私たち消費者ができることはそう多くはありません。
 食品ロスをなくす。お買い得品を買う。ガス、電気、水道は必要なだけ使う。そのほか、私はお米をもっと食べようと思っています。
 長らく税(年貢)であり、貨幣であったコメ。10年余前には家庭での購入額で、ついにパンに抜かれました(注)。
 いま、農家の多くは「もっとコメを食べてほしい」と口をそろえています。生産性の向上が所得に結びついていないからです。
 加えてコロナ禍の影響で外食産業のコメ需要が低迷、農家の経営環境は厳しさを増しています。
 減反にもかかわらず、コメの価格は前年度比11%も下がっています。銘柄によっては20%余り下落しているものもあり、家計にやさしい主食ではないでしょうか。
 静岡県内でも休耕田が目立ちます。散歩中に目にした12枚のうち8枚の田んぼが野原でした。
 「今年は良いお米が穫れそうだ」と目を細めて話していた農家の人も、価格の話題ばかりは表情が晴れません。
 日本の原風景である水田。景観や環境を守る水田の役割を思うとき、消費者としてなにが出来るのかを考えさせられます。

(注)2011年の総務省「家計調査」で、1世帯あたりのコメに対する年間支出額2万7428円に対し、パンは2万8318円に。
美味しいお米がとれるのに…。もったいない