キャンセルカルチャー

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トルコギキョウ(本文とは関係ありません)

  近年、「政治的に正しくない」発言をした人物への攻撃は、単なる内容への批判ではなく、発言者の地位の解任運動に発展しており、この動きは「キャンセルカルチャー」とも呼ばれている。

 桐野夏生は「正義と悪、右と左。二元論で語られるほど、人間は単純ではない」と言う。「正義」の名の下に無個性になってはいないか、と嘆く。

 大屋雄裕は、正しくない発言をした人を排除し、強者を沈黙させることが必要と考えるキャンセルカルチャーに一定の理があることを認めた上で、物理的に言説を抹消する文化が行きすぎると、当事者の反省や修正の契機も失わせてしまうと批判する。

 人間の行いは正しいことばかりとは限らない。人間は愚かで、間違いを犯す。罪を犯した人間は主人公の価値がないのだろうか。