大地震と原発事故は、便利さを享受する今の暮らしのシステムをこのまま続けてもいいのだろうか、ということを考えさせられます。
この本は経験と知見に基づいて、こうすれば電気も水も肥料も自分でつくり自分で消費することができるんだ、というサンプルを示しました。
江戸時代の野なかの一軒家との違いは、電気をソーラーパネルから、お湯を太陽熱温水器から取るなど技術の粋を利用していることです。暖房は薪ストーブで、調理にも使えます。
もちろん、100㌫できないにしても近づくことはできるので試みてください、と提案しているわけです。
中村好文さんという建築家がいます。家具デザイナーでもあります。自分が建ててきた家や、理想の家への思いを「小屋から家へ(TOTO出版)」のなかで書いています。たまたま、私の家の少ない蔵書のなかにあったのでびっくりしました。
そのお考えは、個人レベルから地域レベルへと広がります。たとえば、小電力の水力発電とか、地域で設置するソーラーや風力とかで小さい地域の自立が可能ではないかと。足らないところは、近隣の地域間で融通するネットワークで補います。
その視線は未来を見据えています。